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ピアノ未経験者が舞台でバッハのメヌエットを演奏するに当たっての考察6(雑感)

今回は演出・メンバーの理解を得て、無事本番でピアノ演奏することが出来た

とてもいい座組であり、一生の思い出に残る作品となった

稽古を通じて感じたのはドラマを演じる舞台だからこそ

「演奏ミスをしても、それに応じた反応を他の役者さん達がしてくれる」

ということだった

普通の演奏会だとミスはミスでしかないが、ドラマを演じてる舞台であればミスも1つのストーリーに昇華することが出来る

これは私の心にとって大きなセーフーティネットになっていた

座組メンバーには感謝の言葉しかない

 

本作(東野圭吾「つぐない」)の栗林に関して言えば上手に弾けるに越したことはないが、重要なのは「ピアノに無縁であった中年男性の人が変わったかのような一生懸命さ」であり、それがあるからこそ右脳に対するつぐないを観客は感じることが出来るのだと思う

その一生懸命さに自然とリアリティが出るので、例え不器用な演奏になったとしても、ピアノ未経験者が演じる意味は大きい

(ピアノの上手い人によると、リアリティある下手な演奏は難しく、下手だからこそ表現出来る事もあるとのこと)

 

もしラストシーンを右脳が支配するピアニストになりきった栗林で表現したいのであれば、CD音源を使うなり、ピアノが弾ける人をキャスティングするのが無難かもしれない

ラストは極度に緊張した人物像を演じる必要があることを考え合わせると、あのシーンでピアノ未経験者がピアニスト並の演奏をするのは、なかなかにハードルが高いと思われる (完)

(今回の考察はピアノ未経験者が舞台上で役を演じながらピアノ演奏することを想定しております。私の「主観」をもとに考察しておりますので音楽的見地から見ると適切でない記述があるかもしれません。)