翻訳
翻訳はノイズとの戦い。
他の言語を日本語に翻訳するということは難しい。「BOOK」を本と訳すか書籍と訳すかそれだけでも大きな違い。
私は吹き替えの現場では台本のセリフを一言一句変更させない主義。
画面の中で演じているのは自分ではないし、そして何よりも翻訳者さんのプロフェッショナルを信じているから。台本を貰ってから収録までの時間が短い外画の収録ではプロの意見を最大限尊重するのが王道だろう。
ただ、翻訳物の舞台を演じるときは多少セリフを変えることがある。準備にかける時間が吹き替えの収録とは違い十分にあるから、大きな解釈の間違いは起きにくい。
翻訳してる方を信じていないわけではない。リスペクトに関しては吹き替えと全く同じ。違うとすれば、体を使って演じるのが自分だということ。ちょっとズルイが自分の演技に適した表現にしたり。
それに、翻訳されたのが昔だったりすると、時代にそぐわない表現が出てきたりもする。その辺は役者の方で時代に適した表現をするのがお客さん思いの芝居なのではなかろうか。