回転寿司屋の裏技
私は胃腸に持病があるので、収録のある日は基本的にあまり食事をしない。だから収録が終り緊張感から開放されるとモウレツにお腹が空くことがある。長尺ならそのまま打ち上げになったりするが、ゲームやナレーションの仕事の後だと、1人で食べるお店を探すことになる。そんな時よく利用するのが回転寿司。今回はそんな回転寿司屋での豆知識。
板前さんを挟んで向いの席に接客業っぽい女性が座っていた。お酒を飲みながらの食事らしい。夜の繁華街なので決して珍しい光景でもなく、私は好きな貝類を注文してモグモグ食っていた。
5皿ほど食べ終わって、次に何を注文しようかとメニューに視線を走らせてた時、
「あれ!」
と、いつもとは違うテンションで、板前さんの声が響いた。
思わず顔を上げ、声の主を見上げる。
板前さんは、接客業風の女性の前にある皿を見て、
「お客さん。ツマミで食べるなら、言ってくださればネタだけお出しますよ」
と笑いながら言い、件の女性からシャリがうず高く積まれた皿を受け取った。
女性はお寿司のネタ部分だけ食べ、シャリを残していた。
ご飯を食べちゃうとお腹がふくらみお酒が飲めなくなるという人は多い。そういう人は刺身の盛り合わせなどを注文して、それをオツマミにしてお酒を飲む。ところが回転寿司では刺身というメニューがない場合もある。
この店には刺身の盛り合わせがあったので、それを注文すれば良かったようにも思えるが、好みのネタだけを食べたかったのかもしれない。ダイエットを考え、シャリを残していたとも考えられる。
大抵の回転寿司屋では「ツマミでお願いします」とか「ネタだけお願いします」というと、シャリ抜きのネタを皿に乗せて出してくれる。店によっては、通常2個で1皿の寿司が、シャリ無しのネタ3枚にしてくれるところも。余り知られてないが回転寿司屋の裏技でした。